道路工事は案件があっても、施工体制が組めず機会を逃しがちです。次のような悩みはありませんか?
- 受注を増やしたいが、技能・人員が合わず受けきれない
- 協力会社が減り、工期やコストが不安定になっている
- 業務のデジタル化を進めたいが、何から手を付けるか迷う
本記事は、受注機会を見極めて取りにいく仕組みと、限られた人員でも回る施工体制の作り方をまとめました。情報の選別、ネットワーク構築、ICTによる省人化、原価と安全の同時管理までを一気通貫で解説します。

和歌山全域・南大阪・奈良のインフラ整備を支える「有紀機材」は、地域に根ざした建設資材の専門商社として、U字溝をはじめ高品質なコンクリート製品を迅速にお届けします。
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有限会社 有紀機材
代表 赤井 勇貴
本記事をご覧いただき、ありがとうございます。
15年の現場経験と、1級土木施工管理技士・測量士・技術士補の国家資格に基づき、建設資材の品質とコストに直結する「心から信頼できる実用的な知識」を、現場目線でお届けいたします。 皆様の確実な業務遂行の一助となれば幸いです。
道路工事の受注と人手不足の現状
建設業の就業者は減り続け、高齢化も進んでいます。道路工事を含む土木分野では、技能者の平均年齢が高く、若手の確保が難しいのが実情です。国土交通省のデータ上でも人材不足は深刻だとされており、2025年以降の需給ギャップが懸念されています。賃金は上向きでも、他産業より労働時間が長いことがハードルになっています。
一方、公共工事はインフラ更新や災害対応、維持管理が続くため、一定の発注は見込めます。だからこそ、これからは「量」よりも「案件の選び方」が重要です。人手不足を前提に、受注と施工を同時に最適化する視点が欠かせません。まずは、発注情報の収集と選別を仕組み化しましょう。

受注機会を増やす発注情報の収集と選別
受注の安定化は、情報の量と質、そしてタイミングで決まります。現場任せの「知っているつもり」をやめ、データと手順で整えます。
発注情報源の強化とカバー範囲
主な情報源は次のとおりです。重複と漏れを減らし、地域・工種・規模で網羅します。

入札データの分析と予測精度向上
落札率、競合社数、季節性、工期、現場条件(交通量、夜間規制、安全対策量)を定量化します。最低制限価格の運用は年度で変わることがあるため、最新の公表情報に常に追随します。定点観測する指標の例は次のとおりです。
受注選別の基準づくりとやらない工事の定義
人員が限られる中、「全部取りにいく」は非現実的です。次の基準を用意し、意思決定を速くします。この基準に外れる「やらない工事」を先に定義すると、配員と利益が安定します。
導入時の注意点とリスク
最小限のツール(表計算と進捗管理)で始め、四半期ごとに選別基準を見直しましょう。まずは小さく始め、継続的に改善するのが継続のコツです。

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外注による人手不足対策

自社採用だけでは限界があります。協力会社とJV(共同企業体)を組み合わせ、守備範囲と対応力を広げます。
協力会社データベースの整備と見える化
協力会社の技能、保有機械、安全・品質の実績、単価、対応エリア、繁忙期、年齢構成を一元管理し、案件ごとに最適な組み合わせを抽出できる状態にします。技能と賃金の透明化は、適正原価と品質の前提です。

包括契約と単価契約の活用
単発発注は人の確保が不安定です。次の工夫で安定化します。
JVとコンソーシアムの戦略
総合評価・技術提案型では、JVで技術を補完して点数を最大化します。ICT、測量、出来形管理、BIM/CIM(※1・2)などの強みを持つ相手と組めば、省人化と品質の両取りが可能です。施工体制台帳や配置技術者の要件は最新基準に合わせます。
(※1)BIM…BIM…BIM(Building Information Modeling)は、コンピューター上に3次元の建物モデルを構築し、材料・性能・コストなどの属性情報(データベース)を一元管理する建築手法
(※2)CIM…(Construction Information Modeling/Management)は、土木インフラ(道路、橋梁等)の計画、設計、施工、維持管理の各段階で3次元モデルに属性情報を付与・活用し、業務効率化や高度化を図る取り組み
価格と品質の適正化
価格だけの競争は、事故と手戻りで高くつきます。再下請け禁止、社会保険加入など法令順守を前提に、適正な賃金と安全コストを確保しましょう。結果としてリスクが減り、利益が残ります。
施工体制の見直しとICT活用で人手不足解消
省人化は単なる削減ではありません。安全と品質を高い水準で保ちながら、ムダな移動と待ち時間をなくす設計です。
ICT土工と測量と出来形管理の標準化
国土交通省が推進するICT(※3)の流れに乗り、ドローン測量、3次元設計、マシンガイダンス・コントロール、出来形自動チェックを標準化します。対象工事の選別と運用マニュアルを平易に整えることで、移動と労働時間を削減できる現場もあります。
(※3)ICT…Information and Communication Technology:情報通信技術)は、コンピュータ技術(IT)に通信技術(C)を加えた、情報共有や連携を強調する概念
プレキャスト化と標準ディテールの適用
法面・擁壁・側溝などはプレキャスト化の範囲を広げ、天候リスクと技能依存を下げます。標準歩掛の見直しで原価管理が安定し、若手とシニアの混成チームでも品質を保てます。
自動化機械と遠隔操作の導入判断
自動化は反復性の高い長期案件で投資回収がしやすいです。導入目的・重要業績評価指標(KPI)・対象工事を明確化し、過度な期待やオーバースペックを避けます。試行から本格導入へ、機械・人員・安全をセットで検証します。
コンクリート養生工程の見直しによる受注力と施工安定性の強化
現場打ちコンクリートの養生が受注機会に与える影響
道路工事では、側溝や基礎構造物などで現場打ちコンクリートを採用する場面があり、打設後は所定強度に達するまで養生期間が必要になります。
この養生待ちが工程の余裕を圧迫すると、次案件への着手が遅れ、受注機会を逃す要因にもなります。
人員が限られる企業ほど、養生期間が全体の施工回転率に与える影響は小さくありません。
プレキャスト製品の活用による工期短縮と回転率向上
工場で製造・養生されたコンクリートの完成品を活用すれば、現場での強度発現待ち期間を抑えられる可能性があります。据付中心の施工に切り替えることで、天候の影響を受けにくくなり、工程の見通しが立てやすくなります。
人手不足時代における施工方法選択の戦略的視点
受注拡大を目指すなら、単に人を増やすのではなく、施工方法の再設計が重要です。プレキャスト化を進めることで、熟練技能への依存を抑えながら品質を安定させやすくなります。工程の平準化と作業負担の軽減は、人材確保や定着にも好影響を与え、結果的に「選ばれる企業」の施工体制づくりに寄与します。
人材確保・育成・定着のための具体策
人材対策は時間がかかりますが、早く始めるほど効果的です。賃金、労働時間、教育、働きやすさをの複数の観点から見直します。
業務設計と多能工化で属人を減らす
図面、測量、施工、管理の分業を見直し、標準手順とテンプレートを整えます。経験3年でも一定品質を出せる設計にすると、人に依存せず回る業務に近づき、繁忙期の配員も柔軟になります。
勤務環境と労働時間と賃金の改善
女性や若年層に配慮した更衣・トイレ・休憩環境、ICT機器の整備は、定着率を押し上げます。
若年と女性とシニアの採用と育成
ベテラン層の技能と、若手のデジタル親和性を組み合わせます。安全教育をベースに、短時間や柔軟な就労を取り入れます。学校や地域、業界団体と連携したインターンや体験会で母集団を広げます。
外国人材の受け入れ
特定技能や技能実習に沿った教育計画、安全・品質・日本語支援を用意します。制度改定に合わせ、適正な管理と待遇でトラブルを未然に防ぎます。
受注における原価・利益管理とリスクヘッジ

受注戦略は、積算・工程・安全と一体設計で強くなります。
積算と歩掛の見直しと実行予算の精度
標準歩掛をベースに自社・協力会社の実力で補正し、実行予算のブレを小さくします。出来高と原価のズレは週次で見える化し、工程や数量、資機材を早期に調整します。
価格変動への対応とスライド条項の活用
資材・燃料の変動時は、契約のスライドや変更協議を根拠とともに申請します。国・自治体の通達や指針に沿って記録を整え、発注者とは資料の的確な提出と早期相談で信頼を築くことが近道です。

工程短縮と安全と品質の両立
省人化と工程短縮は、やり方次第で安全・品質と両立します。リスクアセスメント、安全設備、第三者の品質点検を計画に組み込み、KPIは「出来高/人日」「是正件数」「災害ゼロ日数」などで追いかけます。
まとめ
道路工事の受注は、情報の選別とタイミングで成否が分かれます。協力会社やJVを含むネットワークで人員の確保力を高め、ICTと標準化で現場負担を軽くできます。賃金と働き方を整えて人を定着させ、積算・工程・安全をひとつの仕組みで回せば、原価と利益は安定しやすくなります。今日できる小さな整備から始め、四半期ごとに見直すことで、選ばれる企業へ確実に近づけます。

和歌山全域・南大阪・奈良のインフラ整備を支える「有紀機材」は、地域に根ざした建設資材の専門商社として、U字溝をはじめ高品質なコンクリート製品を迅速にお届けします。
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