道路資材に使うコンクリートブロックの強度規格|JIS基準と用途別の目安を解説

  • URLをコピーしました!

道路工事や外構工事に携わる中で、コンクリートブロックの強度がどの基準で決まるのか疑問に思ったことはありませんか?施工現場では、次のような悩みや不安がよく聞かれます。

・歩道や境界ブロックに必要な強度が分からない
・JIS規格が複数あり、どれを参照すれば良いか迷う
・自治体ごとの基準値や実務での扱いを知りたい

こうした疑問を整理することで、安全性と耐久性を確保し、無駄のない資材選びが可能になります。本記事では、道路資材として使われるコンクリートブロックのJIS規格を整理し、用途別に必要な強度の目安もわかりやすく解説します。施工者・設計者にとって、正しい規格理解は現場の信頼性を高める大きな力となるでしょう。

道路資材の強度規格を正しく理解することは、現場の安全と品質に直結します。和歌山を拠点とする有紀機材では、公共事業を支える豊富な資材と提案力で最適な解決策をご提供します。

有紀機材の建設資材ページを見る

目次

道路資材におけるコンクリートブロック強度の重要性

道路資材におけるコンクリートブロック強度の重要性

道路や歩道、縁石や側溝といった資材には、外観や施工性だけでなく十分な強度と耐久性が欠かせません。特にコンクリートブロックは、車両の荷重や繰り返しの通行、雨水や凍結による劣化など、日常的に大きな負担を受ける部材です。

強度が不足していると、早期のひび割れや破損につながり、道路利用者の安全を脅かすだけでなく、補修コストの増加にも直結します。そのため、適切な強度規格を理解し、正しく選定することが現場にとって重要な課題となります。

安全性・耐久性に直結する理由

コンクリートブロックの強度は、道路資材の安全性と耐用年数に直結します。例えば歩道用のブロックが基準以下の強度しか持たない場合、

  • 通行車両の荷重による割れや沈下
  • 凍結融解の繰り返しで生じる表面の剥離
  • 経年劣化による段差・破損事故

といったトラブルを引き起こす可能性があります。特に交通量が多い都市部や重量車が通行する道路では、基準値を下回る強度では危険が高まるのです。十分な強度を持った資材を使用することで、耐用年数を確保し、利用者の安全を長期にわたって守ることができます。

適切な規格選びのメリット

JIS規格を正しく理解し、用途に応じたコンクリートブロックを選ぶことには多くのメリットがあります。

  • 設計の信頼性向上:標準化された規格に基づく資材を採用することで、設計と施工の両面で安心感が得られる
  • 維持管理コストの削減:基準を満たす製品は耐久性が高く、補修や交換の頻度を減らせる
  • 発注の効率化:規格に沿った強度区分を把握しておくことで、調達時の誤発注を防ぎやすい

結果として、施工品質の確保と長期的なコスト削減につながります。強度規格を軽視せず、道路資材の性質に合ったブロックを選定することが現場の最適解といえるでしょう。

コンクリートブロックの選定には、規格理解と現場条件に応じた判断が欠かせません。有紀機材は和歌山を中心に、南大阪・奈良を含む地域で確かな資材と技術をお届けしています。

有紀機材の建設資材ページを見る


コンクリートブロックの強度規格とJIS基準

コンクリートブロックの強度規格とJIS基準

道路資材に使われるコンクリートブロックは、すべて同じ規格に統一されているわけではありません。無筋・鉄筋・プレストレスト・建築用といった構造や用途ごとに、参照すべきJIS規格が異なります。

これを正しく理解することで、設計段階での誤りや調達時の混乱を防ぎ、施工の信頼性を高めることができます。以下に代表的な規格を整理します。

JIS A 5371(無筋・境界ブロック・平板・インターロッキング等)

JIS A 5371 は、無筋プレキャストコンクリート製品を対象とした規格です。道路においては境界ブロック、歩道用平板、インターロッキングブロック、L形側溝(無筋タイプ)などが該当します。

  • インターロッキングブロック:普通タイプは曲げ強度 5.0MPa以上、透水性タイプは 3.0MPa以上 が規定されています。
  • 境界ブロック:圧縮強度 24N/mm²以上 が規定されており、歩道や車道の縁石として安全性を確保するための基準となります。
  • 平板:圧縮強度ではなく、曲げ強度 3~4MPa程度 が規定されています。

このように、製品の種類ごとに規定される強度が異なり、用途に応じて正しい基準を確認することが不可欠です。

JIS A 5372(鉄筋コンクリート製側溝など)

JIS A 5372 は、プレキャスト鉄筋コンクリート製品の規格です。無筋では耐えられない荷重に対応するため、鉄筋を用いて補強された製品が対象となります。

  • 代表例は U形側溝や、大型の排水溝、壁材など。
  • 鉄筋補強により曲げやせん断に強く、重量車両の荷重や土圧にも耐えられるよう設計されています。
  • 実務では自治体仕様書に「JIS A 5372 準拠」と明記されることが多く、品質と安全性を担保する基準として用いられています。

JIS A 5373(プレストレストコンクリート製品)

JIS A 5373 は、プレキャストプレストレストコンクリート製品を対象としています。内部にPC鋼材を配置し、あらかじめ圧縮力を導入しているのが特徴です。

  • 主な用途は 橋りょうの床版、梁、桁などの道路構造物。
  • ひび割れ抵抗性や長期耐久性に優れており、重交通や長スパンに対応可能です。
  • 強度数値は製品の種類や設計条件により異なるため、各工事仕様書や設計基準での確認が求められます。

JIS A 5406(建築用ブロックとの違いに注意)

JIS A 5406 は、建築用コンクリートブロックに関する規格です。道路用ではなく、住宅や塀、建築物の壁などに用いられる中空ブロックが対象です。

  • 圧縮強度は「A(08)」「B(12)」「C(16)」「D(20)」といった区分で表され、数値が大きいほど高強度。
  • 旧来の「A種・B種・C種・D種」という呼称から、現在は 記号+数値による区分が主流になっています。
  • 型枠状ブロックなどでは 20~60N/mm² とさらに高い強度区分も設定されています。

建築用ブロックと道路資材用ブロックは対象や規格が大きく異なるため、道路資材の記事に建築用の強度区分を混同しないことが重要です。

【比較表】

規格番号対象強度の目安用途例
JIS A 5371無筋製品(境界ブロック、平板、インターロッキング、L形側溝等)圧縮強度24N/mm²以上(境界)、曲げ強度5.0MPa以上(インターロッキング普通タイプ)歩道・境界・舗装
JIS A 5372鉄筋コンクリート製品(U形側溝等)設計条件により規定側溝、大型構造ブロック
JIS A 5373プレストレスト製品(PC桁等)設計条件により規定橋りょう床版、桁
JIS A 5406建築用中空ブロック圧縮強度08~20区分建築物の壁、塀

用途別に必要な強度の目安

コンクリートブロックは、設置場所や利用条件によって必要な強度が大きく変わります。歩行者主体の歩道や境界ブロックでは中程度の強度で足りますが、車両が通行する縁石や乗入れ部では、さらに高い耐荷重性が求められます。

また、側溝や舗装材としてのインターロッキングブロックは、それぞれ専用の規格や数値が定められています。ここでは代表的な用途ごとに必要な強度の目安を整理します。

歩道・境界ブロック(24N/mm²以上を目安:自治体標準)

歩道や境界ブロックは、JIS A 5371 で性能が規定されており、圧縮強度は 24N/mm²以上 が基本です。

  • 自治体の標準仕様書でも「24N/mm²以上」を求める例が多く、全国的に共通した目安となっています。
  • この強度を確保することで、長期間にわたり割れや沈下を防ぎ、歩行者の安全を守ることができます。

車両乗入れ・縁石(耐荷重性が求められる用途)

車両が乗り入れる縁石や交差点付近では、歩道以上の荷重と衝撃が繰り返し加わります。そのため、より高い圧縮強度と耐荷重性 が求められます。

  • JIS規格で直接の数値は定められていませんが、自治体によっては 27N/mm²以上 を仕様とするケースがあります。
  • 強度値は交通量や車両重量によって異なるため、設計時には必ず自治体仕様や現場条件を確認する必要があります。

側溝(U形=JIS A 5372、L形=JIS A 5371附属書C:27N/mm²以上)

道路脇の側溝は雨水排水を担う重要な構造物で、形状によって参照すべき規格が異なります。

  • U形側溝(鉄筋入り):JIS A 5372 に準拠し、鉄筋補強により重量車両荷重や土圧に耐えるよう設計されています。
  • L形側溝(無筋):JIS A 5371 附属書C に基づき、圧縮強度 27N/mm²以上 が求められます。

それぞれの形状に応じた規格を正しく選ぶことで、排水機能と長期耐久性を両立できます。

インターロッキングブロック(曲げ強度 5.0MPa以上、透水性3.0MPa以上)

広場や歩道の舗装に広く利用されるインターロッキングブロックは、JIS A 5371 附属書Bで強度が明確に定められています。

  • 普通タイプは 曲げ強度 5.0MPa以上
  • 透水性タイプは 曲げ強度 3.0MPa以上

普通タイプは荷重に強く、透水性タイプは雨水を地面に浸透させる特性があり、都市部の排水機能や環境負荷低減に寄与します。いずれも規格を満たすことで、美観と機能を長期にわたり維持することが可能です。

【比較表】

用途規格強度の目安補足
歩道・境界ブロックJIS A 5371圧縮強度24N/mm²以上自治体仕様でも同数値を採用
車両乗入れ・縁石自治体仕様等27N/mm²以上を求める場合あり荷重条件により変動
L形側溝JIS A 5371附属書C圧縮強度27N/mm²以上無筋タイプ
U形側溝JIS A 5372鉄筋補強、設計条件で決定重荷重対応
インターロッキングブロックJIS A 5371附属書B曲げ強度5.0MPa以上(普通)、3.0MPa以上(透水性)舗装・広場・歩道

まとめ

道路資材として使用されるコンクリートブロックは、用途ごとに必要な強度や参照すべきJIS規格が異なることが大きな特徴です。歩道や境界ブロックは圧縮強度24N/mm²以上、車両乗入れや縁石ではより高い耐荷重性、側溝では形状ごとに規格を使い分け、インターロッキングブロックは曲げ強度で基準が設けられています。

これらを正しく理解することで、安全性と耐久性を確保し、補修コストの削減や長期的な品質維持につなげることが可能です。

道路資材の強度規格や用途別基準を理解したうえで、信頼できる調達先選びが重要です。和歌山を拠点とする有紀機材では、公共事業を支える豊富な実績と幅広い資材を提供しています。対応エリアは和歌山全般・南大阪・奈良。現場に即した最適なご提案で、安心の施工をサポートいたします。

  • コンクリート製品や道路資材を豊富に取扱い
  • 調達から施工までワンストップ対応
  • 経験豊富な技術者による確かな提案

有紀機材の建設資材ページを見る

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次